午後四時のカーテン

日曜日、あなたが目を覚ましたのは午後三時五十二分だった。

枕元のスマートフォンには、午前中に届いた通知が並んでいる。友人は朝からパン屋に並び、同期は川沿いを十キロ走り、知らない誰かは白いテーブルで季節の果物を食べていた。画面の中の休日は、どれも午前八時から始まっている。

あなたは布団の中で、今日やるつもりだったことを数える。洗面台の掃除。作り置き。図書館への返却。来週着る服のアイロン。ひとつ数えるたび、日曜日の残り時間が薄くなる。

昨日の夜は、目覚ましを九時にかけていた。九時に止め、九時半に止め、十一時には音を消した記憶さえない。誰にも約束を破っていないのに、自分との約束だけが部屋のあちこちに散らばっていた。

カーテンは閉じたままだった。部屋は夜の続きみたいに暗く、空気だけが乾いている。ベッドから降りる前に、もう一度目を閉じた。次に開けたら四時を過ぎていた。

休日を無駄にした、という言葉は、誰に言われたわけでもないのによく響く。

あなたはようやく起き上がり、カーテンを全部ではなく、手の幅だけ開けた。細い光が床を横切り、脱いだ靴下と、読みかけの文庫本と、昨日のマグカップを同じ明るさで照らした。

冷蔵庫にはプレーンヨーグルトが残っていた。器に移すのが面倒で、容器のままスプーンを入れる。冷たくて酸っぱい。底に残っていた蜂蜜を少し垂らすと、混ざらずに金色の筋になった。洗い物を増やさない食べ方は、丁寧な暮らしではないかもしれないが、今のあなたには丁寧だった。窓の外では、向かいの建物のベランダで誰かがシーツを取り込んでいた。

あなたは予定表を開いた。午前十時の欄に「掃除・買い出し・作り置き」とある。指で長押しし、削除する。代わりに午後四時の欄へ「カーテンを開けた」と入力した。

達成感はなかった。部屋もきれいにならない。図書館の本には、また延滞の表示がつくだろう。アイロンのいらない服を月曜に選ぶこともできる。作り置きがなくても、駅前には店がある。

それでも光の帯は少しずつ移動し、あなたの足の甲まで届いた。あなたはパジャマのまま、ヨーグルトをもう一口食べる。

日曜日は取り戻さなくていい。残った一時間から始めても、今日には違いなかった。