封印番号の一桁

午前四時二十五分、食品物流センターの守衛所へ大型トラックが入ってきた。

運転手が差し出した入構証には、冷凍菓子、四番の荷下ろし場所とある。警備員の柿沼直景は荷台後部へ回り、扉を閉じるシール番号を読み上げた。

「四八一九」

伝票は四八一六だった。

「書き間違いだよ。いつもある」

運転手は笑い、ペンで六を九に直そうとした。柿沼は伝票を引いた。

「ここでは直せません。ヤードの確認区画へお願いします」

冷却装置は動いている。扉も壊されていない。急げば出荷に間に合うし、番号一桁なら見逃したくなる。だが封印は、中身を見ずに同じ荷物だと証明するためにある。警備員が数字を書き換えれば、その証明を自分で消す。

確認区画で、柿沼は運転席の車両番号と荷台の番号を別々に照合した。車両は予定通りだが、荷台だけが違う。運転手の休憩中、共同の中継所で別会社の荷台を連結していた。外見も冷却装置の型も同じで、運転手自身が気づいていなかった。

柿沼は荷台の側面に残る泥の色も見た。予定車は雪の残る北便、目の前の泥は赤土だった。数字だけの読み違いではない。

配車担当は無線で言った。

「中身が同じ商品なら、そのまま受けてもらえないか」

柿沼は温度表示を指さした。予定の荷物はマイナス二十五度、目の前の荷台はマイナス五度。扉を開けて確認すれば、別荷物の封印まで破ることになる。

「受ける場所を間違えたまま開ける方が、遅れより高くつきます」

彼は四番の荷下ろし場所を空けたままにせず、後続車を先に回した。問題の車は中継所へ戻し、正しい荷台を迎えに行かせる。出入口で詰まる危険を避けるため、戻る時刻も予約表の最後へ移した。

運転手は出発前、番号を二度声に出した。

「次から連結した時に見るよ」

柿沼は返事の代わりに、入構証へ「未開封、誤連結」と朱書きした。疑ったのは人ではなく、つながっている物の組み合わせだった。

東の空が明るくなると、門の外に朝便が六台並んだ。

守衛所の交代員が来たが、柿沼は椅子を譲らず、最初の運転手へ窓を開けた。

「シール番号をお願いします」