一年ずつ軽くなる斧

処刑斧グラニアは、持ち主の寿命を一年喰うたび一斤軽くなる。

若い処刑人クレイドは、百斤ある斧を両手で持ち上げた。今日斬るのは城壁を破った巨人ではない。巨人を眠らせる歌を知る老楽師ヨアンだった。領主は歌の秘密を独占するため、反逆の罪を着せた。

刑場の外では巨人が目覚め、城門を殴っている。一撃ごとに石粉が降る。ヨアンを殺せば、歌も消え、城は一刻も保たない。

「斧を下ろせ」と監督官が命じた。「執行後、巨人には兵を当てる」

兵では止まらない。皆が知っていた。

ヨアンは首枷の中で笑った。

「斧で俺の鎖を切れ。軽くなった刃なら、巨人の耳まで登れる」

鎖は百年鉄だ。断つには斧を羽根ほど軽くしなければならない。クレイドは柄の刻印を親指でなぞった。

一年。

斧が一斤軽くなり、彼の髪に白いものが混じった。

十年。二十年。腕の筋肉が痩せ、目尻に皺が増える。見物人がざわめく中、彼は寿命を注ぎ続けた。監督官が止めようとしたが、ヨアンが足を伸ばして転ばせた。

五十年。

クレイドの背は曲がった。十九歳の身体が、冬を七十回越えた老人になる。斧は片手で持てるほど軽い。

「もういい」とヨアンが言った。「残りは自分に使え」

クレイドは首を振る。鎖へ刃を当て、最後の十年を差し出した。

百年鉄が音もなく切れた。

二人は崩れる城門へ走った。いや、ヨアンが走り、クレイドはその背に負われた。巨人の肩へよじ登ると、老楽師が耳元で歌う。クレイドは軽い斧で耳殻を傷つけ、歌を血の中まで届けた。

巨人は門前で膝をつき、深い眠りへ落ちた。

歓声が上がる。領主は逃げ、兵たちは城門を閉じた。

ヨアンが振り返ると、クレイドは巨人の肩で小さく丸まっていた。皺だらけの手から斧が滑る。

「若造、名前を言ってみろ」

老人は長く考えた。寿命と一緒に、名を呼ばれた年月まで喰われていた。

「分からん。だが、ずいぶん軽い斧だな」

その声は百歳を超えてかすれていた。朝日を受けた白髪だけが、まだ十九歳の笑い方で揺れた。