鉄靴の処刑人

処刑人カルジオは、斧を振り上げたまま動かなかった。

断頭台へ括られているのは十二歳のエナムだ。井戸を濁らせた魔術師として判決を受けたが、本当の原因は領主の染料工房だった。証拠を口にした医師は昨日、姿を消している。

観衆が石を投げる。監督官が怒鳴った。

「執行しろ」

カルジオの鉄靴の中で、荷重卿と呼ばれる悪魔が笑った。

契約は、処刑を拒めば判決そのものをカルジオが引き受けるというものだった。罪が本物か偽物かは問わない。被告に課された重さが、一本の鉄の椎骨となって彼の背骨へ増える。それで法は「罰が執行された」と認め、囚人を放す。

彼の背にはすでに十一個の鉄がある。無実と知りながら斬れなかった十一人分。肩は曲がり、首は左へしか回らない。

十二個目を受ければ、背骨は腰から頭まで一本の鉄柱になる。二度と屈むことも、横たわることもできない。

エナムが顔を上げた。

「怖くないよ。早くして」

強がりの声が震えていた。

カルジオは斧を落とした。

「執行を拒む」

断頭台の下から黒い鎖が伸び、彼の背へ食い込んだ。熱した杭を打ち込まれたような痛み。十二個目の椎骨が生まれ、上下の鉄と噛み合う。

身体が勝手に反り返った。膝が伸び、顎が上がる。鉄靴から釘が伸びて足裏を貫き、脚の骨へ連結した。彼は一本の刑柱のように立ち尽くす。

エナムの縄がほどけた。判決書の文字が赤く変わる。

《被告への刑罰は、処刑人カルジオが全量を負担した》

「行け」と言いたかった。だが鉄の背骨が喉を押し上げ、声は鐘のように鳴っただけだった。

監督官は判決書を奪い、何度も読み返した。法の文言に逆らえず、衛兵へ少年を放すよう命じる。群衆の端で医師の弟子が染料の証拠を掲げ、怒号の向きが領主の館へ変わった。

エナムは逃げず、カルジオの前へ戻ってきた。

「名前、忘れないから」

少年の手が鉄靴へ触れる。

その瞬間、荷重卿が最後の代価を締めた。人を斬るために動いていた関節がすべて固定され、カルジオの皮膚に錆色の文字が浮かぶ。

《刑具》

処刑台の記録から彼の名が消え、備品欄へ「鉄製の直立枷、一基」と書き加えられた。

エナムは何度もカルジオと呼んだ。しかし夕暮れまで広場に立っていたものは、誰の目にも、少年を助けた男ではなく、次の処刑を待つ古い鉄の柱にしか見えなかった。