雪道を来る共同商隊

北端のラウカ村では、小麦より商人の値札が怖かった。

雪が降る直前、唯一の行商人が保存食を平時の五倍で売る。買えない家は家具を手放し、それでも春まで持たない。新しい村長オーレンは、商人を罰する代わりに、村全体で一度だけ仕入れることにした。

「家ごとに銀貨三枚集めるのか」と鍛冶屋が聞いた。

「違う。人数で必要量を出し、払える家は一口銀貨一枚。払えない家は荷台の修理、雪かき、倉番の一刻を一口と数える」

仕入れ値、運賃、御者の食費まで、オーレンは広場の板へ書いた。上乗せは一割だけ。その一割はすべて、来年の共同購入基金へ入れる。品物は予約数どおり。領主館も先取りせず、同じ価格で買う。

「商人が来なければ全部無駄だ」

猟師の疑いに、オーレンは封をしていない三通の注文書を見せた。隣領の三商会へ同じ条件を送り、最も安い見積もりを村人の前で選ぶ。誰かと裏で決める余地はない。

その日の午後、鍛冶屋は古い橇の金具を打ち直した。農家は空樽を洗い、読み書きのできる少女が予約表を整えた。以前なら「領主の仕事だ」と眺めていた者たちが、自分の一口が運賃を下げると知り、次々に手を挙げた。

支払いの日、銀貨を持たない老夫婦が広場の端に立っていた。二人は橇の革帯を縫い直し、合計六刻働いている。

会計係の少女は、ためらわず六口と記した。誰も「貧しいから特別に」とは言わない。銀貨と労働が同じ欄で同じ一口として数えられていた。

老夫婦は豆二袋と塩魚を予約した。受取札を握る手に、恥ずかしさはなかった。

十日後、峠に鈴が鳴った。白い斜面を三台の橇が下りてくる。積まれていたのは麦粉、豆、塩魚。値札は広場の板と一銅貨も違わなかった。

荷下ろしが終わると、少女が倉の扉へ新しい板を打ちつけた。

――ラウカ共同商店。次の仕入れは、春。

その文字の下へ、来年分の最初の銀貨が、村人自身の手で落とされた。続いて老夫婦が、次の橇に使う革帯を一本置いた。基金は硬貨だけでなく、また皆の手から始まった。