靴下は揃わなくていい

月曜の朝に履く靴下が、片方だけ見つからなかった。

日曜の午後、私は洗濯物の山をベッドへ広げた。黒い靴下が三枚、紺が二枚、薄い灰色が一枚。数え直しても、合計は六枚なのに組み合わせが合わない。黒のうち一枚は丈が短く、紺の一枚には踵へ小さな穴があった。

一人暮らしでは、靴下が消えても容疑者は自分しかいない。誰かが間違えて履いた可能性も、別の洗濯物へ紛れた言い訳もない。なくした人と探す人が同じなので、捜索を打ち切る権限まで自分にあるはずだった。洗濯機の裏、ベッドの下、脱衣かごの底。私は順番に探した。

ベッドの下から出てきたのは、去年なくしたイヤリングの片方、期限切れの映画館の券、髪を結ぶゴムが二本。靴下はない。洗濯機の横には、いつ落ちたのか分からない綿棒と、見ないふりをしていた埃があった。

掃除機を出すべきだと思った。ついでに床を拭き、見つけたものを整理し、穴の開いた靴下を縫えば、午後は正しく使われる。そう考えた瞬間、探し物が家事の入口になってしまった。一つ始めれば、埃の先に棚、棚の先に衣替えまで続いている。私は休日の残りを、片方の靴下に連れていかれたくなかった。

私は床に座ったまま、六枚を並べ直した。黒の長い方と紺の長い方。黒の短い方と灰色。残った黒と、穴の開いた紺。

どの組も、よく見ると違う。でも明日はパンツスーツで、足首はほとんど見えない。仮に見えても、会議の内容が靴下の色で変わるわけではない。

私は黒と紺の長い二枚を、月曜用として鞄の横へ置いた。左右というより、たまたま同じ日に働く二枚だった。

残りは畳まず、引き出しへまとめて入れた。イヤリングは小皿へ、映画の券はごみ箱へ。掃除機は出さなかった。綿棒も埃も、今日はそこにいる。

夕方、もう一度ベッドの端を見ると、黒と紺は意外によく似ていた。揃っていないのは事実だが、困ってはいない。

月曜の朝、迷わず履けるように並んでいる。それで靴下の仕事は十分だった。