黒布の内側

リュクサが処刑人の黒布を被ると、内側で百二十六人の目が開いた。

斬った者の羞恥と恐怖を処刑人だけが見届けるため、死者の最後の視線は布へ縫い込まれる。ひとり斬るたび目が二つ増え、布を外すまで眠らない。だが執行中に布を脱げば、蓄えた目はすべて処刑人の顔へ移り、本人の目を押し出す。

今日の囚人は彫刻師ナユム。王の像を醜く作った罪だった。

首枷へ固定された老人は、広場中央の完成像を見上げていた。威厳ある王の胸像。だがリュクサには、布の中の目を通して別の形が見えた。磨かれた瞳の奥に、小さな扉が刻まれている。

「何を隠した」

「見たいなら、布を取れ」

監督官が鞭を鳴らす。「囚人と話すな」

ナユムは笑った。「あの像は、王の本当の顔を映す。だが百の死を見た目でなければ開かない」

リュクサは斧を構えた。王は毎年、顔の違う替え玉を民の前に立たせる。本人は地下で若者の目を移植し、不老を保っているという噂があった。彫刻師はその施術室を見たのだろう。

布の内側で死者たちが瞬いた。無実の者、罪ある者、泣いた者、笑った者。百二十六人分の視線が、像を見ろと促す。

リュクサは黒布を脱いだ。

風が頬を撫でる。次の瞬間、布から無数の目が飛び出し、額、頬、喉、掌へ潜り込んだ。自分の二つの眼球が押し出され、石床へ転がる。

百二十八の視界が一斉に開いた。

王像の瞳の扉、その向こうの地下室、縛られた若者たち、壁際で見守る本物の王。すべてが透けて見えた。リュクサは斧を像へ投げる。胸像が割れ、隠し階段が現れた。

群衆が地下へ押し寄せる。監督官は逃げようとしたが、リュクサの背中にも目があり、足にも目があり、誰一人見失わなかった。

ナユムの枷が解かれた頃、朝日は広場を照らしていた。

老人がリュクサの顔を見て息を呑む。そこには皮膚より多くの瞳がひしめき、互いに違う涙を流していた。

「何が見える」

「全部だ」とリュクサは答えた。

けれど百二十八の目のどれにも、もとの自分の顔だけは映らなかった。