一年を奪わせない寝台

コルバは九日間、眠っていなかった。

眠るたび、一年老いる。

それが砂王墓で受けた呪いだった。最初の夜に髪が白くなり、二度目で膝が軋み、三度目の前に彼は眠ることをやめた。まだ二十六歳なのに、鏡の顔は五十を越えている。

十日目の夕暮れ、彼は宿《止まり木》へ倒れ込んだ。

「目を閉じたら起こしてくれ。料金は払う」

宿主ウェルナは彼を抱えず、奥の青い寝台まで歩かせた。寝台の四隅には時計も砂もなく、枕元に小さな空洞が一つある。

「ここで売るのは、《数えられない一夜》です」

「時間停止か」

「違います。朝は来ます。ただし、この寝台は眠りを年齢として数えません」

コルバは笑おうとして、乾いた咳をした。

「失敗すれば、俺はまた一年死ぬ」

「眠らなければ、今夜死にます」

反論する力は残っていなかった。

彼が横になると、空洞が九日分のため息を吸った。窓の外で鐘が鳴る。普通なら一刻目、二刻目と数える音が、この部屋では名前を失い、ただ遠く過ぎていった。

窓辺の月は普通に西へ動き、廊下の蝋燭も普通に短くなった。止まったのは世界ではなく、呪いが眠りへ付ける値札だけだった。寝台は九時間を九時間のまま受け取り、一年へ両替させなかった。

コルバは夢も見ずに眠った。

朝、彼はまず髪へ触れた。白いまま。だが増えていない。次に手の甲の皺を数え、昨夜と同じであることを確かめた。枕元には、宿帳へ入った時刻と出る時刻が並んでいる。その間に「一年」の文字はなかった。

「九時間も眠ったのに」

「九時間だけです」

コルバは寝台の縁へ額をつけた。声は出なかった。

やがて、砂王墓から持ち帰った金環を受付へ置く。

「これで何泊できる」

「百泊以上」

「では百泊。呪いを解く方法を探す間、俺の年をここに奪わせない」

外へ出る足取りは老人のものだった。それでも九日前より、明日へ向かっていた。

ウェルナが金環を金庫へ収める前に、入口のベルが鳴った。数えられない夜を求める次の誰かが、扉の向こうに立っていた。