伐られていない森の売上

狩猟宮の夜宴で、トリスタン王子はヴィオランテを立たせた。

「王冠林の樫百本を密売し、代金を横領した。森林管理を任されたお前以外にできることではない。婚約を破棄する」

卓上には、樫材百本分の売買証書が置かれていた。署名も印章も、確かにヴィオランテのものに見える。

伐採枠を減らした彼女は、家具商人からも宮廷からも嫌われていた。舞踏会の装飾材まで再利用させたため、「木より人を冷遇する女」と呼ばれた。その評判があるからこそ、密売という正反対の罪さえ、人々は面白がって信じた。

彼女は窓の外の森へ耳を澄ませた。百本も失えば、風の音は変わる。けれど今夜の森は、昨日と同じ深さで鳴っていた。

「百本の樫が、本当に伐られたとお考えですか」

「証書がある」

「ならば、森の証書をご覧ください」

森林伯グリセルムが、一枚の緑の葉を銀盆へ置いた。王冠林の中心樹から年に一枚だけ採れる《樹籍葉》。伐採された木の番号と、許可者の名が葉脈へ刻まれる。これ以上の記録はない。

彼が葉を水へ浮かべる。

葉脈には、今年の伐採数「零」と輝いた。

続いて密売証書の作成者として、トリスタンの名だけが黒く浮かぶ。伐られていない木を売ったことにして、公金を引き出したのだ。

「森の成長を先に担保へ入れただけだ」と王子は言った。「将来伐れば帳尻は合う」

「百年後の木に、今日のあなたの浪費を払わせるのですか」

ヴィオランテは怒鳴らなかった。その静けさが、森の深さのように王子を包囲した。

「婚約破棄は撤回する」と彼は急いだ。「お前が管理を続ければ問題はない」

「問題を育てるために、森を守ってきたのではありません」

彼女は婚約の木製指輪を抜き、売買証書の上へ置いた。

背を向けると、グリセルムが開いた扉の向こうで手を差し出していた。彼の森は、百年後まで見通す共同管理者を求めている。選ぶのは彼女だ。

ヴィオランテは伐られていない樫の香りへ歩き、自分の未来を植えるように、その手を取った。