小さな火口の大きな報酬

巨人族のパルナは、何をしても「大きすぎる」と叱られてきた。

王城では椅子を壊し、畑では鍬を曲げ、軍では門より目立つと言われた。退役の代わりに与えられた辺境の家には、彼女の拳より小さな火口しかないパン窯があった。

最初の一日、パルナは火口を広げなかった。むしろ崩れた縁へ石を一つ足し、さらに小さく整えることにした。

「入らないなら、壊せばいいのに」

肩へ乗った小人族ムックが言う。

「今まで、そうしてきたからな」

パルナは太い指先で小石をつまみ、粘土を薄く塗った。力を入れれば全部砕ける。息を止め、卵を扱うように石を置く。はみ出した泥は、ムックが木片で削った。

二人で半日かけ、ようやく火口の縁が滑らかな円になった。細い薪だけを差し込み、少しずつ火を育てる。小さな入口は風を絞り、炎を奥へ長く伸ばした。以前より少ない薪で、窯全体が熱くなる。入口が小さいからこそ、火は迷わなかった。

パルナは自分の掌ほどのパンではなく、ムックの頭ほどの小さな生地を八つ丸めた。指の跡がつかないよう、そっと窯床へ並べる。

火口の奥で、八つの生地がゆっくり膨らんだ。薄い皮がぱちぱち割れ、焼けた粉の匂いが小さな入口から濃く流れ出す。

最初の一個を取り出した瞬間、垣根の向こうから村の子どもが三人、恐る恐る顔を出した。巨人が窯を壊していると聞き、確かめに来たらしい。

パルナは追い払わず、熱い丸パンを一個ずつ、指先でそっと渡した。どのパンにも潰れた跡はない。

一番小さな子が、空になった籠を差し出した。

「明日、おばあちゃんの生地も焼いてくれる?」

力仕事ではなく、預けても壊さない手を求められた。パルナは返事の代わりに、残りのパンを自分の両手へ載せた。割るにも慎重さがいる。

ムックが半分を受け取り、両腕で抱えてかじる。

「これ、僕には大きいよ」

その一言に、パルナは声を立てて笑った。

大きすぎると言われ続けた手が、今日は何も壊さず、小さな火口を直し、小さなパンを焼き、誰かの大事な生地を任された。

彼女にとっては、それが城門を一つ持ち上げるより大きな仕事だった。