休日は洗濯しています

日曜の午後五時、玲奈はプロフィールの〈休日の過ごし方〉を開いた。

そこには、〈カフェ巡りや小旅行を楽しんでいます〉と書いてある。

アプリを始めた半年前、先輩に勧められて入力した文章だった。嘘ではない。月に一度は新しい店へ行くし、去年は友人と温泉にも行った。ただ、ほとんどの休日は違う。

今日の玲奈は十時に起き、シーツを洗い、ドラッグストアでトイレットペーパーを買った。昼は昨日の残りのカレーを食べ、午後は浴室の排水口を掃除した。気づけば五時で、出かけた場所は百メートル先の店だけだった。

アプリでは、今朝から二人に休日の予定を聞かれている。

〈今日はどこかお出かけですか?〉

〈カフェ巡りいいですね。おすすめは?〉

玲奈はシーツを取り込んでから返そうと思い、まだ返していない。ベランダのシーツは乾いたが、端に洗濯ばさみの跡がついた。畳むと大きくずれ、きれいな四角にならなかった。

テーブルにはドラッグストアのレシートがある。トイレットペーパー、スポンジ、入浴剤。合計千四百二十円。華やかではないが、来週を暮らすために必要なものばかりだった。

玲奈はプロフィールの一文を消した。

〈休日は洗濯や買い物をして、夕方に近所を歩くことが多いです。たまにカフェへ行きます〉

読み返すと、普通すぎて会話が始まらない気がした。休日まで生活の報告をしているようでもある。けれど、「小旅行が好きな自分」に合わせるため、毎週どこかへ出かける予定を探すのにも疲れていた。

保存を押す。続けて、朝のメッセージへ〈今日はシーツを洗いました。今から少し散歩します〉と返した。

相手が興味をなくすかもしれない。逆に同じような休日だと言うかもしれない。まだ分からない。

玲奈はしわの残るシーツをベッドへかけた。角は一つだけうまく入らず、マットレスの下へ押し込んだ。プロフィールも休日も、見栄えよく広げなくていい。今日は洗濯をした日として、そのまま書いてよかった。