神罰の雷を王冠へ接ぎ合わせる

革縫い職人ハルジオは、聖都の貧民街で靴を直して暮らしていた。

大聖堂の行列が通る日は、露店を畳まなければ鞭が飛ぶ。最高司祭オルバンは金糸の法衣を翻し、裸足の子どもたちを見て鼻を覆った。

「貧しさは前世の罪だ。神罰を受け入れよ」

ハルジオが無償で靴を渡すたび、司祭は教会の施しを盗んだとして罰金を課した。

彼の技能は、違う革を一足にまとめるだけのものだと思われていた。

【固有スキル《接ぎ縫い》:二つの素材を縫い合わせ、一つの品として扱われる状態にする】

日照りの四十日目、最高司祭は貧民街が雨を妨げていると宣言した。

大聖堂の塔に雷雲が集まり、家々の屋根へ青い標的紋が浮かぶ。百軒を焼き、罪を清めれば雨が降るという。

住民が逃げようとしても、聖騎士が路地を封鎖した。

ハルジオは空を見ず、標的紋の縁を見た。

それは魔法で描いた印ではない。大聖堂の儀式布から伸びた青い糸を、貧民街へ縫いつけて作られている。雷は罪人を選ぶのではなく、糸で指定された一つの対象へ落ちるだけだった。

最初の雷鳴が響く。

ハルジオは屋根の紋から青糸を引き抜き、自分の革針へ通した。聖騎士に槍で肩を裂かれながら、行列用の赤絨毯を駆け、大聖堂の階段を上る。

壇上ではオルバンが両手を広げていた。その法衣の裏には、雨を止める魔石が何十個も縫い込まれている。水を独占し、神罰を演じて献金を集めていたのだ。

「平民が聖衣に触れるな!」

ハルジオは答えず、青糸で貧民街の標的紋と最高司祭の金の王冠を一目だけ接いだ。

魔法は二つを一つの対象と認識する。

落ちた雷は家々を避け、王冠へ吸い込まれた。隠された魔石が砕け、止められていた雨が聖都全体へ降り注ぐ。

感電した司祭の法衣から、横領した金貨と偽造した神託書が泥の上へこぼれた。

裸足だった子どもが、新しい靴で水たまりを踏む。

聖騎士たちは槍を下ろし、今度はオルバンの逃げ道を塞いだ。

【職業《革縫い職人》が上位職《因果接縫師》へ書き換わりました】