閉会式の外側

最後の大会で、バスケットボール部は準優勝した。

選手は銀色のメダルを首にかけた。マネージャーの私は、閉会式の外で保冷箱を片づけていた。

悔しくないわけではない。けれど、表彰台へ上がるのは選手だ。私は三年間、そこへ上げるための水やタオルや記録を用意した。それでいいと思っていた。

体育館を出ると、主将が追いかけてきた。

「写真」

「みんなで撮って」

「全員って言われた」

「私はユニフォームじゃない」

「部員じゃないの?」

強い言い方だった。

結局、私は端に入った。選手たちの銀メダルが光り、私の首元だけ空いていた。

学校へ戻った夕方、外のグラウンドでクールダウンをした。体育館部なのに、最後の日だけ空が見たかったらしい。

私は冷たいタオルを配った。最後の一本を主将へ渡すと、彼女は受け取らず、自分のメダルを外した。

「これ、半分」

「切れないよ」

「じゃあ一分ずつ」

彼女は私の首へメダルをかけた。

思ったより重かった。

「汗ついてる」

「タオルで拭いて」

「メダルを冷やすの?」

「今日くらい」

選手が順番に集まり、自分のメダルを私の首へかけた。一分ずつと言ったのに、誰も時間を計らない。銀色が増え、首が痛くなった。

「重い」

「準優勝だから」

「優勝なら軽いの?」

「金のほうが重い」

みんなで笑った。

最後に、控えの一年生がメダルをかけようとして、自分はもらっていないことに気づいた。彼女も表彰台へ上がれなかったのだ。

私は首から一つ外し、その子へかけた。

「一分だけ」

一年生は泣きそうな顔でうなずいた。

夕焼けの下、銀メダルは何人もの首を渡った。公式には選手十人分。それでもその日、ベンチも応援席も含め、全員が一度は重さを知った。

卒業アルバムの写真では、私は端で笑っている。首には何もない。

けれど皮膚にはしばらく、細いリボンの跡が残っていた。閉会式の外で受け取った、記録に載らない表彰だった。

帰り際、一年生はメダルを丁寧に返した。私はその重さを手のひらで受け、次の大会へ渡すものが増えた気がした。