光毛象の鎖に綿を巻く

王都の凱旋行列で、光毛象が大通りに座り込んだ。

朝日のように輝く長毛と四本の牙を持つ聖獣で、戦勝を認めた国にだけ歩みを授けるという。進まなくなった巨体を見て、将軍たちは顔色を変えた。

「敗北の兆しか!」

「立たせろ。槍の石突きで足を叩け!」

衣装係のハルムは、象が座る前に何度も足を交差させていたことを思い出した。

金の足環から伸びる鎖が短すぎる。歩幅を飾りに合わせるため四肢を繋いであり、長毛の下で足首を擦り続けている。

「叩けば立つんじゃない。立てないんです」

小柄な仕立て屋の声など、軍楽に消えた。

ハルムは行列用の旗布を一枚切り、綿を何重にも挟んだ。国章入りの布を切ったことで隊長が怒鳴ったが、聞こえないふりをする。

光毛象の前へ行くと、長い鼻が鞭のように振られた。石畳が砕け、見物人が悲鳴を上げる。

ハルムは針を置き、作った綿当てを自分の足首へ巻いて見せた。

「同じものを、あなたにも。鎖を切るまで少しだけ貸して」

象の鼻先が彼の頭上で止まった。帽子を吸い上げ、匂いを嗅ぎ、地面へ戻す。

許されたらしい。

足元へ潜ると、金環の内側は血で濡れていた。飾りの鋲が毛を押し潰し、皮膚まで裂いている。

ハルムは大鋏で鎖を切ろうとしたが、金具は厚い。そこで衣装馬車の留め楔を抜き、梃子にして環を広げた。一本、二本。象が苦しげに鳴くたび、周囲の兵士は逃げたが、ハルムは綿当てを差し込み続けた。

最後の足環が落ちる。

光毛象はすぐには立たなかった。ハルムが傷を洗い、綿を縫い合わせた柔らかな脚巻きを四本すべてへ着け終えるまで、じっと待っていた。

将軍が剣を抜く。

「国章を切り裂いた罪は重い。聖獣を歩かせたあとで処罰する」

象はゆっくり立ち上がった。

誰もが行列の先へ進むと思ったが、光毛象はハルムの前で膝を折った。鼻先が彼の腰を巻き、額の光を胸へ移す。太陽と針を重ねた契約印が輝いた。

そのまま鼻に持ち上げられ、ハルムは長毛の背へ載せられた。

毛は上等な絨毯より深く、腰まで沈む。光っているのに眩しさよりぬくもりがあり、巨体が一歩進むたび、頼もしい重さが大地から腹へ響いた。凱旋行列はその日、将軍ではなく仕立て屋を先頭に歩き始めた。