白狼の喉に刺さった骨

孤児院の裏庭へ白狼が迷い込み、子どもたちは食堂へ閉じ込められた。

白狼は口を開け、苦しげに首を振っている。院長は「子どもを食べに来た」と猟師を呼んだ。

最年長のリオネは、扉の隙間から見ていた。十四歳になった彼は、明日には働き口という名目で遠い鉱山へ売られることが決まっている。白狼は吠えようとしても、かすれた音しか出ない。涎が糸を引き、前足で喉を何度も掻いている。

「何か詰まってる」

リオネが裏口から出ると、院長が悲鳴を上げた。

「戻りなさい! あなた一人のために皆を危険にできません!」

それはいつも、食事を減らすときにも言われる言葉だった。皆のため。だからリオネは自分の空腹も、寒さも、黙ってきた。

白狼の苦しさまで黙らせる気はなかった。

彼は食堂から木べらと布を持ち出し、白狼の前へ座った。逃げた子どもを捕まえるときだけ素早い大人たちは、今は窓の向こうから命令するばかりだった。

「口を開けて。怖いけど、僕も逃げない」

白狼は金眼で彼を見つめ、やがて顎を下ろした。開いた口の奥、喉の手前へ鳥の骨が横向きに刺さっている。

リオネは木べらへ布を巻き、骨を押し込まないよう角度を変えた。指が震える。白狼の牙は腕ほど長い。それでも噛まれなかった。

骨が外れ、地面へ落ちた。

白狼は激しく咳き込み、大きく息を吸った。最初に出た声は咆哮ではなく、子犬のような細い鳴き声だった。

リオネは笑い、薄い麦粥を持ってきた。白狼は椀を舐め、空になると彼の手まできれいに舐めた。

院長が猟師を連れて戻る。

「よく押さえました。さあ、毛皮にしましょう」

白狼はリオネの前へ立ち、猟師との間を塞いだ。胸に銀の輪が灯り、同じ印がリオネの首元へ浮かぶ。守護契約。王国法では、その印を持つ子どもを売ることも飢えさせることもできない。院長の机にあった売買契約書は銀火に包まれ、リオネの名前の部分から灰になった。

院長の顔から血の気が引いた。

リオネが芝生へ座ると、白狼は横倒しになり、彼の小さな膝へ頭を乗せた。喉元の白毛は息のたびふくらみ、抱えきれない重さと湯気のような温かさが、空腹だった少年をすっぽり包んだ。