暗闇に灯る七つの星

ミレアの部屋には、七つの小さな光球が浮いている。

暗闇が怖いと知った魔王ソルヴァンが、夜ごと一つずつ作ったものだ。

「もっと明るくできますよ」と侍女が言っても、魔王は首を振る。

「七つが落ち着くと言った」

幼い頃に地下牢へ入れられたミレアは、真っ暗でも明るすぎても眠れない。薄い星明かりが七つだけあると安心する。その細かな好みを、最強の魔王だけが覚えていた。

ソルヴァンは戦場では太陽を黒く染める。将軍たちには夜目を鍛えろと言う男が、ミレアの廊下だけは一晩中灯りを消させない。

魔王位継承の夜、古い儀式が始まった。

祭壇の灯りをすべて消し、完全な闇の中で、ミレアがソルヴァンの名を呼ぶ。そうすれば彼女は正式な伴侶になるという。

神官が七つの光球へ手を伸ばす。

「消します」

ミレアは光球を胸元へ引き寄せた。

「消さないでください」

「儀式に闇は不可欠です」

「なら、儀式をしません」

神官たちがざわめく。

「陛下の永遠の伴侶になれるのですよ」

「暗闇を我慢してまで、今夜なるとは決めていません」

ソルヴァンは祭壇から降りた。

「儀式を中止する」

「陛下、継承が不完全になります!」

「余は完全だ」

実際、彼の魔力だけで天井の古代紋章が震えている。

神官長が食い下がる。

「ミレア様は恐怖に負けておられる。陛下が抱いていれば耐えられます」

魔王の目が冷えた。

「耐えさせるために抱くのではない」

ソルヴァンはミレアへ尋ねた。

「部屋へ戻るか。ここで星を見るか」

「ここで見たいです。儀式ではなく、あなたの戴冠だけ」

「分かった」

魔王は七つの光球を祭壇の上へ並べた。闇を必要とする古代術式は発動しない。代わりに彼は、自分の魔力だけで王冠を完成させた。

神官たちが膝をつく中、七つの星は消えなかった。

「伴侶の宣言は行わない。ミレアが望まぬ暗闇を、愛の試練と呼ぶことを禁ずる」

ソルヴァンは一人で王冠を受け、隣の席を空けた。

「この光も、この席も、彼女が選ぶ限りここにある」