倉の大きさで直す桟橋
潮島の桟橋は、中央が折れたまま半年放置されていた。
修理税は一世帯銀貨十枚。魚を自家用に捕る小屋も、外国商船を三隻持つ倉庫主も同額である。漁師たちは払えず、倉庫主は「全員が払わない限り自分も払わない」と言った。荷は沖で積み替えられ、島の魚も麦も値上がりした。
新島長ダリオは、世帯数ではなく桟橋を使う量を調べた。
住居は銀貨一枚。小店は三枚。荷を保管する倉は床十間ごとに五枚。さらに、自分で修理に出た一日は銀貨一枚分として差し引ける。集まった額、購入する板、作業日の換算を港の壁へ毎日書く。
「倉を持つ者への罰だ」
最大の倉庫主が言う。
「桟橋がなければ最も損をするのも、あなたです」
「漁師は一枚で済む」
「彼らの小舟が削る板は少ない。あなたの荷車は一日に百往復する。使う負担に合わせます」
「働けば税が減るなら、貧乏人をただ働きさせるだけだ」
「一日分は市場の日当と同じ銀貨一枚。余分に働けば、差額を現金で払います」
善意を安く買わないと明記されていた。板一枚の値段まで壁に書かれ、子どもでも合計を確かめられた。
初日、漁師十人が金ではなく作業を選んだ。二日目、魚屋と船大工が加わった。壁には誰が何日働き、いくら相殺されたかが並ぶ。
倉庫主は三十枚を箱へ入れたが、名前の横に「作業零」と書かれたのを見て機嫌を悪くした。
翌朝、彼は上等な上着を脱ぎ、杭打ち槌を担いで現れた。
「一日分だけ引け」
「三十日働かなくても構いません」
「分かっている。金だけ出した男の倉だと、壁に残るのが気に入らん」
皆が笑った。壁は恥さらしのためではなく、負担を見える形にしただけだった。だから彼も、自分で選んで槌を振った。
十二日目、最後の板が渡された。
満潮が新しい杭を叩き、島の船が一列に接岸する。漁師の小舟も、倉庫主の大型船も、同じ桟橋へ綱を取った。
入口には、修理費の最終額と余金零の文字。その横に新しい潮鐘が掛けられた。
『住まい一、店三、倉は広さで。働いた一日は銀貨一枚。』
ダリオが鐘を鳴らすと、島中の船が一斉に帆を上げた。