死因を継ぐ者
戦場礼拝所には、終油を拒まれた兵が並べられていた。
献金のない者は赦されない。司教たちはそう言って、奥の天幕で貴族だけに祈りを売っていた。
破門された司祭セルヴォは、瀕死のキナトの脇へ膝をついた。
最後の赦しを与えると、司祭は死者の死因を自分の身体へ継ぐ。ただし祈りを続けている間だけ、継いだ死は完成しない。教会は下級司祭に一人ずつ祈らせ、貴族が息を引き取るたび、代わりに彼らを死なせてきた。
「金がない」とキナトは言った。
「神も請求書も、今は聞かなくていい」
セルヴォは祈り始めた。
キナトの胸を貫いた矢が光になって消え、同じ穴がセルヴォの胸へ開く。血は流れるが、祈りが続く限り心臓は止まらない。
隣の女兵士へ移る。毒で黒かった唇が穏やかになり、セルヴォの舌へ苦味が広がる。
三人目は火傷。彼の背が焼ける。
四人目は溺死。肺へ冷たい水が満ちる。
声は泡になりかけたが、祈りを切れば、四つの死が一度に完成する。セルヴォは一息で言葉をつないだ。
兵たちは、死ぬ前に家族の名を告げた。許してほしいこと、伝えたいこと。彼はすべて聞き、すべて赦した。
天幕から司教が出てくる。
「やめろ。無認可の赦しは異端だ」
セルヴォは祈りの節を変えず、次の兵へ手を置いた。砕けた頭蓋の死を継ぎ、片側の顔が陥没する。それでも口の反対側で祈る。
最後に残った少年は、首を斬られかけていた。
司教が剣を抜く。「その祈りを終えれば、お前は死ぬ」
セルヴォは少年へ終油を塗り、赦しの最後の句を唱えた。
少年の呼吸が安らかに止まる。
礼拝所にいた全員が、罪人ではなく、名前を持つ死者として見送られた。
セルヴォは祈りを終えなかった。
そのまま天幕へ歩き、貴族へだけ売られた赦免札を引き裂く。兵士たちが彼の後ろへ続き、帳簿と金箱を群衆へ運び出した。
「まだ祈っているぞ」と司教が震えた。
セルヴォの胸には矢穴、舌には毒、背には火、肺には水、頭には陥没、首には赤い線がある。どれも彼を殺している途中だった。
彼は祭壇前で、最後の一語を言った。
祈りが終わる。
六つの死が同時に身体へ到着した。
それでもセルヴォは倒れなかった。死因同士が、どれが最初に彼を殺したのか決められないように、身体を互いに引き止めていた。
脈のない首を上げ、彼は司教を見た。
「次は、あなたの告解を聞こう」
その日から、教会の帳簿には、死者の司祭が一人増えた。
墓へ入らず歩き続ける、六人分の死をまとった司祭だった。