最初の客を呼ぶ銀のベル

日付が変わる一分前から一分後まで、呼び鈴店〈二番目〉は開く。

開店して三十夜、店主のシェノンにはまだ客がなかった。名前どおり二番目の客を待つ店なのだと強がっていたが、棚の銀ベルは一つも売れていない。

三十一夜目、若い商人アデルミラが入ってきた。彼女もまた、客の来ない店を持っていた。

「昼間、香辛料店を開いています。でも扉の鈴が、一度も鳴らないんです」

立地が悪いわけではない。品も悪くない。だが開店祝いに元の主人から渡された呼び鈴には、「最初の客は来ない」という嫌がらせの呪いがかかっていた。外そうとしても扉から離れず、誰も入口を店として認識できない。

シェノンは棚の中央から、小指ほどの銀ベルを取った。

〈始まり直し〉。古い鈴を壊さず、その次に鳴る音を最初の音へ上書きします」

「最初の客がいないのに、どう鳴らすの?」

「あなた自身が、最初に欲しかった品を一つ買ってください」

アデルミラは戸惑い、やがて自分の鞄から乾燥した星胡椒を一粒出した。

「店を開く前、一番欲しかったのは、これを自分の料理に使うことでした。元の主人の店では、見習いは香りを嗅ぐことさえ禁じられていた」

彼女は売り物の小袋から星胡椒を一粒取り、自分の財布から自分の店の売上箱へ銅貨を入れる。初めて、自分の品を自分のために買った。

その瞬間、銀ベルが澄んだ音を立てた。

遠い昼の店で、呪われた古鈴が砕ける幻が鏡へ映る。扉の看板に初めて香辛料店の名が現れ、通りを歩く人影が足を止めた。

「私が、私の店の最初の客」

「自分の商品を信じた客です。十分でしょう」

銀ベルの値段は銀貨一枚。アデルミラは払ったあと、シェノンの静かな店内を見回した。

「あなたは、このベルを売るのが初めて?」

「ええ」

「なら、私があなたの最初の客ね」

三十夜分の強がりが、そこでようやくほどけた。

翌日の真夜中、彼女は銀貨をもう一枚持って戻った。星胡椒を買った本当の客から得た、最初の利益だという。

「これは追加注文。次の店を始める友人のために、同じベルを一つ」

アデルミラが帰り、日付が変わる一分後を告げる砂が落ちた。シェノンは初めて売上箱を閉じる。

閉店時間を過ぎたはずの扉で、二番目の客のベルが鳴った。