第535話 第二章「同じ制限」前編
五月二十一日 午前五時五十分
碧路紬は、飲んだ水を絵で記録する。
丸が一杯。
半月が半杯。
点は、口を湿らせただけ。
今朝の日記には、点が三つあった。
船室の天井は低い。
起き上がると、背の卓上織機が梁へ当たる。
だから紬は、目を開けたら最初に右へ転がる。
右肺の癒着が強く引く日は、左へ転がる。
身体は公平ではない。
同じ起き方を毎朝へ課すと、痛い日だけ損をする。
分かっている。
分かっていて、同じ規則が好きだった。
紬は青緑布の結び目を数えた。
昨日の交渉で十四。
仮停戦。
病院船の四分放流。
水位柱の補正。
商船目録の限定公開。
上流貯水量の一部開示。
結び目は、合意ではない。
何を聞いたか、忘れないための指だ。
十四番目だけ、寝ている間にほどけていた。
「嘘を感じた?」
紬の母が訊いた。
船室の入口へ、朝の水券を置く。
家族四人分。
今日の受給量は、二十三リットル。
飲用。
調理。
手洗い。
祖父の薬。
従弟の汗疹を拭く水。
すべて込み。
「結びが甘かった」
「どっちの嘘」
「私」
母は水券を一枚ずつ数えた。
「今日、更新」
「分かってる」
「昨日の交渉料」
「まだ取ってない」
「同郷から取れないなら、交渉人じゃなく親戚」
「親戚から水券を取る家もある」
「うち」
「知ってる」
紬は母の手から水券を一枚取った。
「これ、私の一日分」
「交渉料」
「食費」
「水は食費じゃない」
「飲む」
「仕事中、飲まない」
「飲む」
「昨日も空の杯を相手に見せて、自分は三口」
「演出」
「水不足を演出へ使うな」
母は一枚を取り返し、代わりに小さな金属杯を押しつけた。
「一杯、二百ミリ。五回」
「多い」
「交渉中に倒れたら、係留権の更新が止まる」
「私が休んでも止まらない会議にする」
「今日?」
「いつか」
「いつかの水券は、今日の水栓で使えない」
祖父が奥から笑った。
「負けたね、結び手」
「家族票は取ってない」
「一対一だ」
「母が強い」
「おまえの能力なら、同じ禁止を掛けられる」
祖父が言う。
「母へ『水を隠すな』。おまえへも同じ。公平だ」
紬は杯を満たした。
水面が、縁より一ミリ低い。
「家族に使わない」
「なぜ」
「使いたくなるから」
母は答えず、水差しへ蓋をした。
船外で、朝の係留鐘が鳴る。
一回。
水位低下。
二回。
大型船停止。
三回目は鳴らなかった。
病院船は、昨夜の七センチを保っている。
それ以上は上がらない。
午前七時二十分。
水路持分会議〈ウォーター・テーブル〉は、食卓ではなかった。
名前だけは食卓に似ている。
実際は、四隻の船を布と索でつなぎ、その中央へ載せた傾いた板だ。
上流側に、青い壺。
下流側に、赤い水差し。
商船側に、黒い荷札。
病院側に、白い計量瓶。
朝は端へ座る。
巴は黒板の後ろ。
七瀬の撮影機は四方向へ分かれている。
凱は中央へ座るよう求められ、断った。
「元王が端にいると、中央が空く」
上流の老女が言う。
「空けてあります」
凱。
「誰の席だ」
「今、決める人の席です」
「おまえが決めろ」
「私の水ではありません」
「王だった人間が、水だけ他人事か」
「王だったから、他人の水を自分の決断へ入れすぎました」
下流の若者が鼻で笑う。
「便利な反省だ」
「便利にしないため、質問だけします」
「逃げるのか」
「座っています」
「言葉の話だ」
「なら、主語を言ってください」
真琴がいれば喜びそうな返しだった。
紬は中央の空席へ座った。
自分の船団から拍手が起きる。
青緑布。
短い黒髪。
そばかす。
両岸へ同じ禁止を課してきた少女は、公平の象徴として知られている。
上流が水上区の係留を切ろうとした時、紬は双方へ《相手の船を動かすな》を課した。
水上区が配水車を占拠した時、双方へ《水券を隠すな》を課した。
商船同士が水路を塞いだ時、双方へ《相手の進路を横切るな》を課した。
同じ禁止は、見せやすい。
説明しやすい。
拍手されやすい。
紬は、今日の案を広げた。
《緊急均等削減案》
「現在確認できる総流入量を、昨日比で三十五パーセント削減」
彼女は数字を一つずつ言う。
「上流家庭、三十五パーセント。上流工業、三十五。下流家庭、三十五。下流工業、三十五。商船通水、三十五。病院船は医療優先枠を別に確保したうえで、非医療使用を三十五」
上流側から、拍手。
下流の一部からも拍手。
同じ数字。
誰かだけを優遇しない。
「違反を、交換禁則で封じる」
紬が続ける。
腕の布をほどく。
「上流は下流へ、上限超過を禁じる。下流は上流へ、上限超過を禁じる。商船と病院も、相互に同じ超過を禁じる」
「病院を商船と同じにするな」
医師が言う。
「医療優先枠は別です」
「いくら」
「現在使用量を基準に――」
「現在使用量では、二日で止まる」
拍手が、少し遅れて止まった。
紬は医師を見る。
「昨日、純水三十六時間と言った」
「残量の話だ。供給が三十五パーセント減れば、前処理洗浄を維持できない。透析患者二十一人。通常治療四十六人。感染区域の洗浄。三十五パーセント削減なら、四十八時間後に透析を半数へ制限する」
「医療優先枠を増やす」
「どこから」
医師は、紬の案へ指を置いた。
「家庭からか。工業からか。商船からか。『別に確保』という白い箱から水は出ない」
紬は布端を噛んだ。
癖だ。
自分で気づいて、離す。
「必要量を出して」
「透析、洗浄、飲用、厨房、冷却を分ける。患者名と病名は出さない」
「受け取った」
巴が、手袋の親指で句点をなぞった。
それから黒板へ書く。
《同じ三十五%は、同じ何を減らす?》
上流の老女が答える。
「水」
巴は首を振る。
《上流家庭――庭の洗浄、貯水、飲用》
《下流家庭――飲用、船体洗浄、浮力維持》
《病院――治療》
《商船――輸送》
同じ水ではある。
同じ意味ではない。
紬は言う。
「でも、違う数字を出せば、誰かが優遇されたと感じる」
巴が手話をする。
《感じる。だから理由を書く》
「理由は、強い側が作れる」
《同じ数字も、強い側が作れる》
「私の案は、両方に効く」
《効くことと、公正は別》
紬の腕の痣が、少し黒くなる。
能力はまだ発動していない。
条件を準備しただけだ。
上流、下流。
互いの禁止。
双方が見える場。
最後に紬が交換を宣言すれば、同じ制限は物理的な重さになる。
紬は、宣言しなかった。
「保留」
拍手をした人間たちが、静かになる。
「何を」
母の船団から声が飛ぶ。
「能力使用」
「案は」
「保留」
「病院に脅された?」
「数字を聞いた」
「下流に寝返った!」
「私は下流の船で生まれた」
「なら最初から味方だろ!」
「味方だから、同じ制限で先に沈めたくない」
上流の男が卓を叩く。
「先に沈むのは、貯めなかったからだ!」
下流から罵声。
「川を止めたのは上流だ!」
「工場を建てたのは誰だ!」
「病院へ行ったことないのか!」
「俺たちの工場が薬瓶を作ってる!」
同じ数字が外れた瞬間、違う怒りが出る。
紬は、一つずつ言葉を返す。
「貯めなかったから。受け取った」
「川を止めた。受け取った」
「工場が薬瓶を作る。受け取った」
「受け取ってどうする!」
「返さない」
「返せ!」
「昨日まで、返すために聞いてた」
紬は自分の結び目を見る。
相手の要求を、そのまま返す。
鏡のように。
言い換えれば、相手が自分の要求を聞ける。
だが、鏡は重さを変えない。
「今日は、受け取ったまま、別の重さを量る」
「交渉人が、能力を使わないで何をする!」
船団の男が叫ぶ。
紬の背後で、母が水券を握っている。
家族の更新。
係留権。
燃料券。
紬の交渉が止まれば、家の生活も止まる。
「話す」
「それだけか!」
「結ぶ」
「能力で結べ!」
「今日は、布で」
笑いが起きた。
侮辱の笑い。
紬は笑い返さない。
布端を一つ結ぶ。
能力を使わなかった事実。
それも記録する。
午前九時十六分。
会議は三つへ分かれた。
上流代表は貯水船。
下流代表は係留作業船。
病院と商船は中央卓。
朝が、黒い杖を横へ置いた。
「国家最低基準を提示できます」
彼女が言う。
全員の視線が集まる。
「家庭飲用、医療、衛生、工業の優先順位。人口一人あたり最低量。貯水設備の保有率に応じた削減式。既存の非常配水標準です」
「使えば早い?」
紬。
「比較は早くなります」
「決めるのも」
「国家命令として出す権限はありません。参考案です」
「標準どおりにすれば、責任は誰」
「採用した各地域と、提示した私」
「同じ式を使う?」
「同じ式へ、地域係数を――」
「係数を決めるのは」
「交渉です」
「結局、ここ」
「はい」
朝は認めた。
紬は少し意外そうに彼女を見る。
「あなた、中央の式を使わせたい人じゃないの」
「使える式を、使えないふりはしません」
「使えば、地域の人が楽」
「決めなくて済みます」
「悪い?」
「緊急時には必要です」
「じゃあ使う?」
「私は、使いたいと思っています」
朝は、自分の名を主語にした。
「この場の遅さが怖い。病院の残り時間が減っている。標準式へ入れれば、少なくとも今日の配水は決められる」
「なら」
「同時に、明日の変更も中央式へ依存します。地域が、自分の貯水と漏水と船の深さを言わないままでも、数字だけ出る」
「便利」
「便利です」
「嫌い?」
「好きです」
朝は迷わず言う。
「だから、私一人で出しません」
紬は空の杯を朝の側へ置いた。
「同じ病気」
「何が」
「きれいな式が好き」
「あなたの能力と同じにしないでください」
「同じにするな。受け取った」
「今のは、わざとですか」
「半分」
「残り半分」
「本気」
朝は薄い珈琲を一口飲んだ。
「嫌な人ですね」
「多数?」
「私一人の評価です」
「受け取った」
巴が黒板を叩いた。
《評価の交換は後》
その下へ、新しい欄を書く。
《最低量》
《減らせる量》
《減らせない理由》
《代替》
《期限》
紬は欄を見た。
「全部、同じ用紙?」
巴はうなずく。
「それも、同じ制限」
巴が止まる。
紬は続ける。
「船の人は、水深を書く。病院は治療工程。上流は池。商船は荷重。同じ欄に入る?」
巴は黒板を見た。
正確な形式。
全員が読めるようにした共通欄。
それでも、陸の紙だった。
巴は《最低量》を消さない。
横へ、小さく書く。
《この言葉で足りない場合、別紙》
紬が言う。
「別紙へ追いやる?」
巴は眉を寄せる。
《今日、直す》
「受け取った」
《褒めていない》
「分かってる」
《本当に?》
「今は、七割」
正午。
小麦が昼食を配った。
乾いた平パン。
豆の煮固め。
塩気のある茶は、一人百二十ミリ。
「同じ量?」
上流の老女が訊いた。
「飲み物は同じ」
「病院の医師も」
「同じ」
「それが公平か」
小麦は、医師の皿だけ豆を少なくした。
「この人、朝から胃が動いてない。豆、半分。代わりに柔らかい粥を後で」
「違う」
「違う」
「飲み物は」
「今は同じ。汗かいた船員は追加四十。腎臓の制限ある人は医師確認」
「最初から違うじゃないか」
「食事は、同じ皿へ同じ量を置く競技じゃない」
小麦は自分の茶を飲む。
いつも最後に回す癖を、今日は変えた。
「料理人だけ多い」
商船の船頭。
「低血糖。倒れたら午後の飯が止まる」
「特権だ」
「必要経費」
「言い方」
「帳簿」
価が横から言う。
「小麦の一日労働、水券換算二・四。茶追加四十ミリは、一日全体の一・七パーセント。倒れた場合の代替調理費は、水券換算十六以上」
「計算してたの」
小麦。
「料金を取る」
「勝手に値を付けた」
「労働へは付ける」
「本人へ先に聞いて」
「いくら」
「今日は無料」
「最悪」
「なぜ」
「無料で計算したら、次から当然になる」
価は紙札へ《計算料 後日協議》と書いた。
上流の老女が、豆の煮固めを半分残す。
「食べない理由」
小麦が一度だけ訊く。
「喉が渇く」
「受け取った」
残りを回収しない。
持ち帰るか、誰かへ渡すか、本人に選ばせる。
紬は自分の皿を見た。
同じパン。
違う豆。
違う茶。
誰も満足していない。
しかし、食べられない者を、同じ量で責めてはいない。
「小麦」
「何」
「昼食の規則、貸して」
「有料」
「水券一枚」
「安い」
「交渉人割引」
「同郷じゃないから取る」
「ひどい」
「公正」
小麦は笑った。
「三つだけ。必要量を先に。追加理由を隠さない。余った分を、勝手に悪意へしない」
「四つ目」
「作る人も食べる」
「それ、制度?」
「一番破られる制度」
午後二時四十八分。
病院船から、二日停止の予測表が届いた。
透析。
感染区域。
手術洗浄。
厨房。
乗員飲用。
同じ三十五パーセント削減で、止まる順番が書かれている。
上流からは、工場停止の予測表。
薬瓶。
冷却部品。
水門楔。
雇用。
下流からは、漏水箇所の未確認一覧。
商船からは、船別必要水深。
同じ用紙には入らない。
紬は朝の案へ、自分の青緑糸を通した。
使わない能力の代わりではない。
紙がばらばらにならないための物理的な糸だ。
「今日の結論」
朝が言う。
「均等三十五パーセント案は、採決しない」
「否決ではなく?」
上流代表。
「必要情報が不足し、医療停止の予測が確認されたため、提案者が保留しました」
「紬が逃げたと書け」
船団から声。
紬は言う。
「書いて」
朝が彼女を見る。
「評価語です」
「本人発言として」
「どの発言」
「能力を使わず、採決を止めた。逃げたと呼ぶ人がいる。私自身は、止めたと書く」
「両方残します」
「同じ欄?」
「別欄」
「少し好き」
「評価は後」
巴が黒板を叩いた。
紬は笑った。
拍手は起きなかった。
昨日まで、公平の象徴だった青緑布が、ただの濡れた布に見える。
紬は腕へ巻き直す。
結び目を作らない。
作れば、今日の保留まで合意に見える。
午後三時。
病院船の残り時間は、二十四時間減っていた。
水位は、昨日より一センチ下がっていた。
同じ制限は、まだ一つも決まっていない。
違う制限も、まだない。
紬の布だけが、両腕へ同じ長さで巻かれていた。
右肺の奥が痛む側だけ、少しきつかった。
午後四時十二分。
紬は、上流の貯水池へ行った。
行かない方が安全だった。
下流出身の交渉人が、能力使用を保留した直後に上流設備へ入れば、どちらからも裏取引と呼ばれる。
だから、七瀬は同行しない。
撮影機があると、説明のための視察が、説得の映像に変わる。
朝と価だけが一緒だった。
朝は階段を上らない。
貯水池の上段へは、現場の作業員が水位札を下ろす。
価は装具のため、坂道を急がない。
紬は二人の遅さへ合わせず、先へ行きかけた。
「結び手」
朝が呼ぶ。
「何」
「同じ速度で歩けとは言いません」
「言ってる」
「先へ行くなら、目的と待ち合わせ場所を」
「上池計量台」
「時間」
「四分後」
「私は七分」
「遅い」
「杖です」
「見れば分かる」
「見れば分かることを、条件へ書かない人がいます」
紬は足を止めた。
「七分後」
「先に行って構いません」
「待つ」
「なぜ」
「あなたが来る前に数字を聞いたら、朝の不在を利用したって言われる」
「私のためではない」
「自分のため」
「正直です」
「褒めた?」
「記録です」
価が二人の間で言う。
「待機七分。交渉人一名、調停人一名、評価人一名。機会費用――」
「付けなくていい」
紬と朝が同時に言った。
「同じ禁止」
価が笑う。
上池は、運河より高い場所にあった。
石積みの堤。
三層の貯水槽。
屋根から雨を集める樋。
工場の冷却水を沈殿させ、再利用する灰色槽。
上流住民は、何もせず水を抱えているわけではない。
節水弁。
夜間漏水の点検。
庭の洗浄禁止。
洗濯水の再利用。
壁には、過去七年の使用量が貼られている。
「下流は、これを見ない」
上流の若い設備係が言った。
「見せた?」
紬。
「見に来ない」
「公開場所」
「上池管理室」
「下流の人が入れる?」
「許可があれば」
「誰の」
「上流水利会」
「見せた、じゃない」
設備係の顔が硬くなる。
「努力を盗まれる」
「水は流れる」
「技術の話だ」
「技術を公開したら、下流の漏水が減るかも」
「無料で?」
価が口を挟む。
「無料はだめ」
設備係が少し驚く。
「下流が、貯水技術の使用料を払う。現金でなくてもいい。漏水修理、商船枠、病院の優先診療」
「病院を値段にするな」
「診療を人の値段にしない。技師の労働時間と設備枠を交換する」
価は装具へ手を当て、座った。
「立ったまま話すと、腰の治療費が増える」
「自分の費用も言うのか」
「前は言わなかった。損した」
設備係は、灰色槽を指した。
「上流工業を三十五パーセント止めたら、この再生水も減る」
「工場が止まれば、水が増えるんじゃないの」
紬。
「冷却使用は減る。だが、処理設備の稼働も止まる。家庭へ回せる再生水は、二日後から減る」
朝が記録する。
「削減率と貯水量が単純反比例しない」
「国家式には」
「再生設備係数があります。ただし、ここの設備効率は登録値より高い」
「褒めてる?」
設備係。
「事実です」
「役所の事実は、あとで税になる」
「今の私は役所ではありません」
「服が役所」
朝は象牙色の上着を見た。
投票札はかなり外してある。
それでも、見た目は中央の人間だ。
「着替えれば信用しますか」
「着替えた役人になる」
「では、服は変えません」
「頑固」
「はい」
紬は上池の水面を見る。
深い。
下流から見れば、余っているように見える。
だが、池の底には取り出せない死水がある。
送水管より低い水位。
泥を巻き上げる層。
堤を守るため残す量。
「使える量」
紬が訊く。
「総量の七十一パーセント」
「昨日、六日って言った」
「家庭最低と工場縮小で六日。工場全停止なら、最初は七日、後半は再生水減で五日半」
「減らすほど短くなる」
「全部止めれば」
紬は布端を解いた。